勢いで決めないで!犬を飼う前に知っておきたい命を預かる責任の重さ

ペットショップなどに行くと出会える、コロコロとした子犬は、まるで動くぬいぐるみのように可愛いですよね。あまりの可愛さに、思わず家に連れて帰りたくなることもありますが、その場の勢いで犬を飼うのはちょっと待って!あなたは、どのくらい犬を飼うことの責任の重さを自覚していますか?飼い始めてから「やっぱり飼えません」では遅いのです。犬を飼う前に、犬を飼うことの責任の重さについてしっかりと考えてみましょう。

犬を飼うことのメリット・デメリット

みなさんは、「可愛い」と言って迎えられた犬の中に、飼い主さんの都合だけで飼育を放棄されたり、捨てられたりする犬がいることを知っていますか?しっかりとした覚悟がなければ、あなたもその中の一人になってしまうかもしれません。

犬を迎える前の今は「そんなことしない!」と簡単に言えますが、犬を飼うということは、想像以上に大変なことなんです。成長すれば、容姿は変わり、個性も現れます。犬と一緒に暮らしてみると、楽しいことや幸せなことがたくさんありますが、同時に我慢をしなければいけない場面もたくさん出てきます。具体的にどんなことなのか、まずは、犬を飼うことのメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット

  • 生活リズムが整う
  • 運動の習慣がつく
  • 家に帰るのが楽しみになる
  • 家族の共通の話題になる
  • 家族の絆が強まる
  • 犬を通じた友人が増える
  • 心が穏やかになる
  • 心が癒される
  • 責任感が増す
  • 防犯に役立つ
  • 子どもの発育に役立つ

犬を飼うことの一番のメリットと言えば、動物による癒し。アニマルセラピーという言葉があることからも分かるように、動物と触れ合うことで心身が癒されるのは医学的にも認められています。

デメリット

  • 泊りがけの外出が難しくなる
  • 天候に関係なく毎日の散歩が必要になる
  • 抜け毛や排泄物の始末
  • お金がかかる
  • 世話やしつけをめぐり、家族と衝突する
  • 近所に対する気兼ねが生じる

などのほか、犬も人間と同じように老いていくので、将来的には、病気などで介護が必要になることもあります。また、どれだけしっかりとしつけをしていても、興奮や恐怖心などから制御できなくなる場面が出てくることもあります。場合によっては、飼い主さんや犬自身が責任を負わなければいけなくなることも・・。

ただ漠然と犬を飼いたいと思っているだけでは、犬を飼うことで生じる心身の負担に気づくことはできません。なぜ犬を飼いたいと思ったのかをもう一度振り返ってみましょう。あなたは犬に何を求めていますか?それは、負担を背負ってでも得たいことですか?

犬を捨てる飼い主がいるという現実

みなさんは、どうして犬の刹処分が行われていると思いますか?それは、犬を捨てる人がいるからです。環境省の発表によると、平成25年度、全国の犬の引き取り件数は、60,813匹。そのうち11,769匹が飼い主さんによる持ち込みです。

では、どうして飼い主さん自身が、飼っている犬を捨ててしまうのでしょうか?その主な言い分は、

  • 言うことを聞かない
  • うるさい
  • 思っていたよりも臭う
  • 大きくなったら可愛くなくなった
  • 経済的に余裕がなくなった
  • 引っ越し先がペット禁止だった
  • 繁殖したけれど、引き取り手がなかった
  • 長期の旅行にいく
  • 犬が病気になった
  • 介護に疲れた
  • 看取るのが嫌

など、どれも飼い主さんの都合による身勝手なものばかり。でも、どれをとって見ても、飼い主さん側に責任感や知識があれば、捨てずにすむ問題です。これは、言い方を変えれば、飼い主の無責任さや無知の代償を犬に押しつけているということ。犬を飼う前から、犬を飼うということの知識や責任の重さを知り、しっかりと覚悟を決めていれば、悲しい結末を迎えることはないのです。

犬の殺処分事情

平成25年度の統計によると、全国で28,569匹の犬が刹処分されています。動物の刹処分を減らそうとする動きが高まっている現在、引き取られた犬の半数以上が譲渡や飼い主に返還されています。この活動により、処分数15万匹を超えていた平成16年度と比べるとかなり低くなってはいますが、それでもまだ3万匹弱の犬が、人間の都合により命を失っているのです。

みなさんは、捨てられた犬がどうやって処分されているか知っていますか?「安楽死」などと言われていますが、決して楽な最期ではありません。その最期は、「刹処分」という言葉がピッタリなほど、残酷です。これからお話することは、犬好きな人が見れば、目を背けたくなるような話かもしれません。でも決して、目を背けないで!これが、捨てられてしまった犬の現実なのですから。

現在の処分方法の8割以上は、二酸化炭酸ガスによる窒息死。ある日突然、見知らぬ施設に連れてこられた犬は、恐怖と不安を感じながら、そこで数日を過ごします。飼い主さんにより連れ込まれた場合は、即日処分されることもありますが、一般的には、命のカウントダウンをするように、強制的に日ごとに部屋を移動させられ、一定期間が過ぎると、「ドリームボックス」と呼ばれる箱の中に、機械で追いやられます。

このドリームボックスが、捨てられた犬たちが最期を迎える場所。ドリームボックスという名前とは裏腹に、スイッチひとつで二酸化炭素ガスが一気に放出され、中に居る犬は、死に至るまで、暴れもがき苦しむのです。

残りの2割近くの施設では、獣医師による麻酔注射が採用されていますが、病院で行われる安楽死が静脈注射なのに対し、施設では、筋肉に注射するので、苦しみながら絶命することもあります。いずれにしろ、犬の意思に関係なく、飼い主さんの都合だけで運命が決まってしまうのです。

犬は、捨てられてもなお、飼い主さんが大好きです。飼い主さんをどこまでも信頼しています。少し想像してみてください。飼い主さんの迎えを待ちながら、助けを求めながら、処分されていくとき、彼らは何を思い、何を感じているのかを。もしも、あなたが逆の立場だったら、こんな現実に耐えられますか?

飼う前によく考えて!

犬は、動くぬいぐるみではありません。私たちと同じように生きています。言葉で想いや考えを伝える術は持ちませんが、人間と同じように、ちゃんと感情を持っています。目の前で何かが起これば、何かを感じているのです。犬を迎えるのであれば、このことを決して忘れてはいけません。

私たち人間の側が「この子を飼う」と決めた時点で、犬の運命が決められてしまいます。そういう意味で言えば、犬に飼い主を選ぶ権利はありません。犬を飼うために必要な資格は何ひとつないので、飼いたいと思えば誰でも飼うことができます。でも、悲しい命をひとつでも減らすためには、すべての人に犬を飼うことをすすめられません。

  • 金銭的、時間的に余裕がない
  • 将来的にペットと一緒に住めないマンションや社宅などに引っ越す可能性がある
  • 万が一のとき、犬を預ける人が居ない

これらの中に、ひとつでも思い当たる部分がある人は、犬を迎えないことをおすすめします。それでも迎えたいというのは、あまりに無責任です。

犬と人間の命の重さに優劣はありません。どちらも大切な命です。犬を飼うということは、大切な命を預かるということ。厳しいようですが、「犬の命を守る」という覚悟がなければ、犬を飼ってもお互いが不幸になるだけです。犬を飼う前に、もう一度よく考えてみましょう。

  • 犬を自分の子どものように愛し続ける自信がありますか?
  • 犬のしつけは、本に書いてあるほど簡単ではありません。諦めずに根気よく教える自信がありますか?
  • 犬種にもよりますが、犬の寿命は平均で10~15年。その間ずっと、金銭的にも時間的にも世話をしていけますか?
  • 歳を重ねていくことで、犬も病気になったり、介護が必要になったりするかもしれません。それでも最期まで投げ出さない覚悟がありますか?
  • 犬の最期を看取る覚悟はありますか?
  • あなたに万が一のことがあったとき、犬を引き取ってくれる人が近くにいますか?その人は承諾してくれていますか?
  • 飼うことをやめることは、犬の死を意味することを理解していますか?

ひとつの命を預かると言うことは、大きな責任が伴うということ。それは、想像以上に大変なことです。代わりに犬から受け取れるのは、彼らが向けてくれた愛情と温かい思い出だけ。それで十分だと思えますか?

お互いが幸せになれないようでは、犬を飼うことはおすすめできません。犬の生涯をとおして愛情を注ぎ、最後までしっかりと命に責任を持てる人だけが犬を飼いましょう。

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